大学院博士前期課程の教育コース
■理工・医連携コース
理工・医連携コースは、理工分野の高度な専門知識と、その知識を医学、医療に応用する視点とを兼ね備えた人材の育成を目指しています。従って本研究科の他の7つのコースの何れかに対応する学問分野の基礎を身につけた学生で、理工学の医学・医療応用に関心のある学生を求めます。本コースでは理工学の通常の専門科目の他、総合理工学研究科と医学系研究科の教員が共同で担当する科目を設けており、学生はそれらの中から関心の高い科目を選択し履修していきます。本コースの総合理工学研究科所属の教員は他の7つのコースの何れかの教員を兼ねています。学生は教員による指導の下、修士論文執筆に向けて研究を進めていきます。
■物理・材料科学コース
物理・材料科学コースでは、物理学およびその学際領域の基礎知識を基に、新材料の開発、物質のミクロ構造解析、物質機能のメカニズムの解明、粒子多体系としての物質の理論的解明、物質の根源である素粒子の研究など多種多様な研究を推進しています。本コースは、理学および工学分野から構成され、基礎から応用まで、また学際的領域にわたり幅広く学ぶことが可能です。研究を通して深い専門知識と広い視野を持って、自ら考え、解決する能力を身につけた人材を育成します。物理学、材料学の基礎を身に付けた学生で、自然科学を基礎から探求・理解することを志向する学生、基礎科学・応用科学技術に興味を持ち、物質を微視的な視点から研究し、新しい物質の開発を目指す学生、現代の物質観を身に付けたい学生を求めます。
■物質化学コース
物質化学コースは化学系の理学および工学分野から構成されています。人類に有用な物質の創製や高効率で環境負荷の少ない物質・エネルギー変換技術を開発するため、物質の機能を合理的に理解し、化学、応用化学領域における高度な専門知識と問題解決能力を備え、広い視野を持ち国際的に活躍できる高度専門技術者・研究者を養成します。物質の性質や機能を原子・分子レベルから合理的に理解し、それらの知見を統合的に活用することに興味を持つ学生を求めます。
■地球資源環境学コース
地球資源環境学コースは、地球物質システム学、環境地質学、自然災害工学の3分野からなります。地質学、地球科学から社会のニーズに対応した工学的分野までをカバーした教育を行っているユニークなコースであり、また、多くの留学生を受け入れています。本コースでは充実した最新の研究設備を駆使して教育・研究を行っています。修士論文の研究を通じて、科学的観察力、思考力、判断力を持ち、自主的で創造的な人材を育成するとともに、留学生や海外の研究者との交流を通じて国際化の時代に対応できる人材を養成します。地質学を基礎とした学際的見地から地球資源環境学の分野を研究することに興味があり、より深い知識、高度な技術を身につけ、それを将来、研究者、技術者、教育者として社会のために役立てたいと考えている学生、および研究を自主的に進める意欲のある学生を求めます。
■数理科学コース
数理科学コースでは、数学について幅広く、又は集中して学びます。論理的な思考能力や問題の発見・分析・解決能力、柔軟な発想力を養う教育を行い、数学および数理科学を理解し次世代に正しく継承できる人材、論理的思考能力を有し様々な問題に論理的かつ柔軟に対処できる人材、さらに国際的視野を持った人材を養成します。代数学・幾何学・位相数学などの構造論的抽象数学や自然・社会現象を理解するための数理解析に興味を持ち、本コースで習得した数学や数理科学の専門的知識を背景に数学や自然科学における新たな見識を得たい、よりよい社会づくりに役立ちたい、高い見識を持つ教員として次世代に数学を伝えたいとの意欲を持つ学生を求めます。
■情報システム学コース
情報システム学コースでは、情報技術に関する高度で深い専門知識と問題解決能力、実社会からの要請に的確に対応できる広い視野、倫理観を備えた高度専門技術者・研究者を養成します。ソフトウェア・ハードウェアのものづくりを実現するための講義・セミナーを提供するとともに、指導教員のもとで研究を実践し、成果を学会発表あるいは特許・実用新案申請することを修了要件とします。ソフトウェア・ハードウェアのものづくりを実践したい人やそのための理論的背景を学び、新たな方法論を提案したい人を求めます。
■機械・電気電子工学コース
機械・電気電子工学コースでは、機械、電気、電子の三つの工学分野における基礎力と主たる専門分野における専門的知識・応用力を修得させるという学部4年間の教育を引き継ぎ、三つの工学分野の基礎的知識と主たる専門分野におけるより高い水準の専門的知識・応用力を持ち、技術の発展や社会のニーズに対応でき、国際的視野を持つ高度専門技術者・研究者を養成します。学生は各専門分野の研究室に配属され、特別研究を通じて専門的で独創的な研究教育を受けることができます。また、講座間の強い連携のもとに総合的に配置された講義やセミナーを受講することによって、機械・電気電子工学分野の専門知識を深めることができます。機械工学又は電気・電子工学分野に関する専門知識と思考力を有し、探究心が旺盛でかつその分野の学修に熱意を持つ学生を求めます。
■建築・生産設計工学コース
建築・生産設計工学コースでは、都市計画、建築計画、建築構造などについての諸課題に関する研究、および、木材・セラミックス・金属・コンクリートなどの各種材料を対象にして、その変換技術・物性解明、それらを用いた各種産業分野での諸課題に関する研究を実施しています。これらの領域の理工学的知識・評価方法を実験・講義を通して修得するとともに、資源環境の総合的視野に立った創造力と判断力を有した人材の育成を目指した大学院教育を行っています。また、所定の科目を履修することにより、一級建築士の資格受験に要する最大2年の建築実務経験が認められる場合があります。都市計画、建築計画、建築構造などの分野並びに天然資源の有効利用と資源・材料の変換技術や諸物性解明およびその材料利用に関わる分野に興味を持つ学生を求めます。