感染症研究の新たな視点:本学教員の記事が日本の数学界最高の邦文誌『数学』に掲載

公開日 2024年08月28日

本学総合理工学部の齋藤保久准教授(函数方程式論・数理生物学)が執筆した記事が、日本数学会編集の雑誌『数学』(岩波書店)2024年7月夏季号(第76巻第3号)に掲載されました。
『数学』は、日本数学会が編纂する数学界の最高権威誌であり、1947年の同学会設立翌年から現在まで刊行されている非常に歴史ある邦文誌です。数学に関する論説、企画記事、書評、学界ニュースなどを掲載し、プロの数学者のみならず、専門外の読者にも理解し楽しめる内容を提供しています。年4回発行され、日本数学会の会員には無償で配布されています。
齋藤准教授が執筆した「感染症の予防と治療に関する数学 ‐人的・社会的実情を考慮して‐ 」では、感染症がもたらす人的・社会的実情を数学的視点から解説しています。従来の感染症数学研究は、主に病原体の性質や伝播構造といった疫学的側面に焦点を当ててきましたが、今回の記事は人的・社会的影響にまで視野を広げています。新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、ワクチンと治療薬の開発、感染拡大防止策の決定といった医療・公衆衛生上の課題だけでなく、経済活動との両立問題や医療崩壊のリスクなど、感染症に伴う複雑な社会的課題が顕在化しました。齋藤准教授の研究は、こうした課題に対する数学的アプローチの重要性を示しています。

 

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