総合理工学部の臼井秀知助教らが,超伝導の状態が結晶構造で切り替わる,不思議な「スイッチング現象」を観測しました

公開日 2021年01月22日

 超伝導は1911年に発見された、量子力学により説明される不思議な現象であり、現在ではMRIなどの医療機器やリニア新幹線など、様々な場所で応用されています。これらの機器では一般的に「従来型」と呼ばれる超伝導体が用いられていますが、「非従来型」と呼ばれる特殊な超伝導も発見されています。通常、似た構造を持つ化合物であるならば、同じ型に属します。
 東京都立大学、島根大学総合理工学部の臼井秀知助教、大阪大学らの研究グループは、ビスマス硫化物系の超伝導体に対して同位体効果の研究を行いました。同位体効果では超伝導体が「従来型」か「非従来型」かを判別することができます。その結果、ビスマス硫化物系超伝導では、結晶の構造によって「従来型」から「非従来型」に、超伝導の発現機構がスイッチする現象を観測しました。本研究は、新たな非従来型超伝導体の開発および機構解明に重要な指針を与え、今後の高温超伝導発現機構へのさらなる解明が期待されます。


図. 同位体効果により解明された超伝導発現機構と結晶構造との相関関係

 

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