平成24年度「環境理工学II」授業の紹介(平成24年12月22日~24日)

公開日 2013年01月28日

  「環境理工学I,II」は,理工系の全分野に共通する今日的な課題である環境問題を多面的な視点から学ぶことで,それらの問題を客観的に自ら理解・判断できる能力を身に付けることを目的とする授業です。

講師
 市村禎二郎 先生(エジプト-日本科学技術大学(E-JUST)エネルギー・環境工学専攻教授,東京工業大学名誉教授)

授業概要
 専門課程に関わらず学部2年生に理解できるように,講義だけでなく演示実験や演習なども含めて,平易に「エネルギーと環境科学」を解説する。さらに,地球環境問題の内,オゾン層破壊と地球温暖化に重点を置き,光と大気環境の関連性に基づいて,それらの問題への取り組み方と解決策を説明する。本授業の達成目標は,エネルギーと環境科学に関する知識を深め,地球環境問題が起こる原因と対策を議論して,自ら判断して行動する能力を養うことである。

授業日程
 平成24年12月22日(土)~12月24日(月)の8:30~17:45

授業内容
○化学はセントラルサイエンス
 ・日本人のノーベル化学賞受賞者たちの研究内容の紹介(野依不斉水素化反応等)
 ・水の状態図および化学反応における蒸発熱を利用したエタノール溶液の燃焼実験

○光が関わる科学現象
 ・光の粒子性と波動性
 ・分子による光の吸収・発光のメカニズムおよびブラックライトを用いた実験
 ・紙製分光器の作製と蛍光灯の発光スペクトル分布の観察
 ・太陽電池や発光ダイオード,青色半導体レーザーの動作原理と特性 

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○環境の科学
 ・紫外線によるオゾンの分解・生成反応(チャップマンサイクル)
 ・成層圏におけるフロン化合物の光分解反応によるオゾン層の破壊
 ・対流圏における光化学スモッグ(オキシダント)の生成反応
 ・窒素酸化物と硫黄酸化物による酸性雨発生のメカニズム 

○環境問題-地球温暖化とは-
 ・地球温暖化の仕組みと環境への影響
 ・二酸化炭素等の温室効果ガスが気温・海面上昇に寄与するメカニズム
 ・地球温暖化を緩和するための京都議定書等の対策 

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○エネルギーと環境アセスメント
 ・エネルギーの定義・分類と消費動向
 ・二酸化炭素を削減するためのゴミの減量・再利用・再資源化(3R)
 ・環境アセスメントによる環境保全の実施例(藤前干潟,三番瀬)
 ・ダイオキシン,農薬,環境ホルモンの構造と作用 

○再生可能エネルギー
 ・太陽光発電,風力発電,中・小規模水力発電,バイオマス発電の方法と実施例
 ・地球規模で考えて地域で行動すること(TGAL)の重要性 

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